中田郷土かるた

「中田郷土かるた」は、今から約100年前の昭和6年7月に制作されました。
制作主任は、当時の中田尋常小学校の教員であった菅井恒治先生。
中心となって指導にあたったのは、校長の斎藤富先生でした。

当時の中田村は、仙台市のみならず首都圏に野菜を出荷する農村として知られていましたが、徐々に昔ながらの落ち着いた農村の姿が失われつつありました。
そうした中で、ふるさとへの理解と愛着を育む郷土教育の必要性が高まっていたといいます。
そのような思いから生まれたのが、この「中田郷土かるた」です。

このかるたは、小学生が楽しく遊びながら郷土の歴史・政治・経済・文化などを自然と学べるよう工夫された学習道具であり、当時の修身、読方、地理などの授業で活用されていたそうです。当時としては非常に先進的なもので、全国的にも高く評価されました。

かるたの絵札の裏には解説文が添えられていたものの、残念ながら現存していたのは読み札だけでした。
しかし最近になって、「中田の魅力伝え隊」のメンバーが文献や地域の言い伝えをもとに、絵を描き加えるとともに、失われていた解説文も新たに調べて書き起こし、かるたに再び命を吹き込みました。

かつての子どもたちがこのかるたで学んだように、私たちもまた、遊びながら中田の歴史や文化に触れ、その魅力をあらためて見つめ直していけたらと思います。

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